このような方も多くいると思います。このような方の場合、「個人再生手続」が利用できないか、検討されてはどうでしょうか。
「個人再生手続」については、抽象的な説明をするよりも、教室設例での説明の方が、イメージを持って頂けると思いますので、以下では、教室設例での説明をさせて頂きます(当然ですが、Xさんは、教室設例解説のためのものです。)。
1 多重債務状態の発生
Xさんは、会社に勤務し毎月収入を得ており、自宅も住宅ローンにより購入して生活をしていました。
その後、Xさんは、遊興費が多くなり、遊興費を得るために、サラ金から借金をするようになりました。
Xさんは、当初、自分の収入から、サラ金からの借金を返済できていましたが、借金を重ね、住宅ローンの返済もあることから、徐々に苦しくなっていきました。
この時点で、Xさんの住宅ローンを除いた借金は600万円でした。
2 個人再生手続の利用へ
そこで、Xさんは、弁護士に債務整理の相談に行ったところ、住宅ローンはそのまま支払い、その他の借金を減額し分割返済する法的手続として、小規模個人再生手続を利用することにしました。
3 小規模個人再生手続の結果
Xさんは、小規模個人再生手続により、住宅ローンはそのまま支払い続ける一方で、住宅ローンを除いた借金600万円は、5分の1に減額され、120万円となり、この120万円を3年間で分割返済することになりました。
上記の教室設例で、個人再生手続の中で、特に利用されている小規模個人再生手続を利用することのイメージを持って頂けたかと思います。
民事再生法の小規模個人再生手続には、次のようなメリットがあります。
Q1 インターネットで、色々なホームページを見ると、弁護士さんでも、司法書士さんでも、個人再生手続きをしてもらえるようですが、何か違いがあるのでしょうか。
A 法律上の地位の違いがあります。
弁護士の場合は、個人再生される本人の代理人として、個人再生手続きの申立てを行います。
そして、裁判所で本人の面談がある場合には、本人の代理人として、同席して、対応することになります。
これに対して、司法書士の場合は、司法書士法3条1項4号の業務として、個人再生手続の書面作成代理を行うことになります。
そして、裁判所で本人の面談がある場合、司法書士は、弁護士と異なり、同席することはできません。
Q2 仮に、個人再生手続ができる場合、弁護士費用はどうなるのでしょうか。
また、分割支払には対応してもらえるのでしょうか。
A 個人再生事件の弁護士費用については、当ホームページの「弁護士費用」を参照して頂ければと思います。
また、当事務所では、個人再生事件の弁護士費用については、分割支払で対応してます。
もちろん、一括でお支払いして頂いても結構ですが、経済的負担もありますので、多くの方には、弁護士費用を分割でお支払いしてもらっています。
Q3 個人再生の場合、個人再生委員が選任された場合、別途個人再生委員の報酬が必要になるとありますが、そもそも、個人再生委員とは何ですか。
A 個人再生委員は、裁判所が選任し、下記の職務を担当します。個人再生委員には、通常、弁護士が選任されます。
Q4 群馬県内で、個人再生手続きをする場合、裁判所から個人再生委員が選任されるのでしょうか。
また、個人再生委員の報酬はいくらなのでしょうか。
A 前橋地方裁判所では、個人再生事件の全件に、個人再生委員を選任する運用になっています。
また、個人再生委員の報酬額は原則15万円となります。個人再生委員の報酬については、履行テストとして、再生計画案による計画弁済月額として、個人再生委員に送金積み立てをし、その後清算することになります。
個人再生事件は、弁護士にとって、片手間にできる業務ではないと言われています(鹿子木康ほか編『個人再生の手引き(第2版)』(判例タイムズ社、2017年)21頁参照)。
確かに、個人再生事件は、弁護士にも相応の業務負担があることは、上記の文献の指摘のとおりです。
しかし、私は、自身の個人再生委員の経験を活かし、所員と一緒に、お困りの方が一人でも、個人再生手続によって、「再生」できればと思いますので、群馬県、埼玉県、栃木県などで、個人再生を考えている方からの、個人再生のご相談をお待ちしています。
弁護士 滝 悠樹